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ワインの歴史

Hunter Valley  (ハンター・バレー)

Hunter Valley

伝統的なオーストラリアのワイン産地の中では最北に位置し、気候は亜熱帯。夏は大変暑く、秋は雨が多い。太平洋から吹く北東の卓越風が、著しい暑さをある程度やわらげる。夏の空はしばしば雲に覆われ直射日光が遮られる。年間降水量は750mmとかなり多い。 しかもその大半が、葡萄の出来不出来を左右する収穫期に集中しているから、広大なオーストラリアの中ではブドウ栽培の適地とは言い難い。
しかし、ワイナリーがひしめきあっているのは、オーストラリアにおいて、昔から全面的にテーブルワインに力を注いだ地域で、ワイン産業の重鎮たちが住んでいることと、大都市・シドニーから車でわずか2時間の距離にあり、ワイン目当ての観光客や投資家たちのメッカだからであろう。

緩やかな山と丘に囲まれ、いくつかの川が流れるオーストラリアでも非常に美しい土地である。シドニーに近いから、週末の観光地でもある。レストラン、ホテル、ゴルフコースなどの施設がよく整備され、ワイン・セラーも次々と建てられている。

地理的にはハンター・リバーを中心に発展してきた古い産地、Lower Hunter Valley(ローワー・ハンター・ヴァレー)と、1960年代に開発された北に位置する、Upper Hunter Valley(アッパー・ハンター・ヴァレー)に分けられる。

Lower Hunter Valley(ローワー・ハンター・ヴァレー)は、
ブロークンバック・レンジ(Brokeback Range)の麓の比較的平坦な谷間の最南端にあり、緩やかな傾斜の丘陵地帯となっている。
標高の高い地区は火山性の赤土で、ミネラル風味を葡萄に凝縮させ、とりわけシラーズに適している。ハンター・シラーズと言われる伝統的造りは、重厚な力強さこそ持ち合わせていないが、古いオークの大樽が複雑性を加味し、香りと風味に特異なものを持つ。
標高の低い地区は白い砂地やローム層で、伝統的な白ワイン品種・セミヨンが栽培されている。4~5年で楽しめるものが多いが、10年以上の長寿のセミヨンでも名高い。
ワイナリーは、POKOLBIN(ポコルビン)の町を中心に現在80社以上あるが、オーストラリアを代表するワイナリーがひしめいている。McWilliam’s Mount Pleasant(マックウィリアムズ・マウント・プレザント)Lindemans (リンデマンズ)Tyrrell’s Vineyards(ティレル・ワインズ)Wyndham Estate(ウィンダム・エステート)等。

Upper Hunter Valley(アッパー・ハンター・ヴァレー)は、
ハンター川はもとより、ゴールバーン川 (Goulburn River) やジャイアンツ・クリーク (Giants Creek) などの支流が流れていて、その河川に沿って畑が広がっている。適度な肥沃度と水はけの良い黒色の沈泥壌土の土壌で、セミヨンとシャルドネが栽培されている。
この地の代表的ワイナリーは、Rosemount Estate(ローズマウント)。白ワインブームの80年代、特にシャルドネで非常に高い評価を受け、輸出で成功し急速に拡大、現在ではオーストラリアを代表するワイナリーである。

 

カベルネとシャルドネ

カベルネとシャルドネは、現在、オーストラリアの主要栽培品種で、そのヴァラエタル・ワインは大量に生産されている。そのワイン造りに大きな影響を与えたのは二人のハンター・ヴァレーの醸造家である。

カベルネの「マックス・レイク」
ハンター・バレーでは殆ど注目されていなかったカベルネのワインの製造を試みて、秀逸なワインを世に送り出したのは、元来は外科医であったマックス・レイクであった。彼の造るカヴェルネは評判を呼び、一躍、1960年代、カベルネのワインの第一人者となった。
彼の登場以降、オーストラリアでは、カベルネ・ソーヴィニヨンが急速に普及していった。
マックス・レイクは、ワインライターとしても精力的に活躍し、ワイン業界に大きな影響を残している。1963年創設したワイナリー、Lake’s Folly(レイクズ・フォーリー)は、最初は、そのワインの多くを、週末の観光客にセラードアで販売するという方法をとったことで知られていている。生産するワインは、香りの強いシャルドネと長期熟成に耐えるカベルネの2銘柄に限っていた。

シャルドネの「マレー・ティレル」
Tyrrell’s Vineyards(ティレル)は創業が1853年と非常に古く、以来長年にわたり、絶えず良質のテーブルワインを造り続けてきたワイナリーである。ワインの製造方法は、近代的というよりは、オーク樽で熟成させるなど、むしろ古い方法をとってきた。
マレー・ティレルは、よりソフトなバーガンディ・タイプのワインを造ることに努力を重ね、1971年にオーストラリアで初めてシャルドネで、ワイン醸造者の模範となる「Vat47」を造りだした。このワインに触発され、膨大なオーストラリア・シャルドネが世に送り出されるようになった。シャルドネは現在、アッパー・ハンター・ヴァレーの主要な栽培品種になっているだけでなく各地で大量に栽培されている。