カオールもガイヤックも、その葡萄畑の歴史は古く、ガロ・ローマ時代である。
このAOCは、ガロンヌ河の支流ロット川が、おそろしく蛇行する流域の両岸の台地に広がっている。
葡萄栽培に最適なこの地は、フランスでも最も古い葡萄栽培地の1つで、ガロ・ローマ時代から。中世には、既に名声を博していた。
イギリス人からは「ブラック・ワイン」と呼ばれていたカオールの<赤ワイン>は、力強さと、黒に近い濃厚な色彩が特徴。古典的な品種マルベック(この地ではオーセロワと言う)で作る場合は、ワインは濃厚で荒々しい輪郭を見せ、熟成によりよくなって、身の引き締まったものになる。
近年、メルロ種の比率の高い、まろやかで、軽いフルーティーな若飲みタイプも造られ、古典的品種のマルベックの特徴をはっきり持った力強いものと2つのタイプに分かれる。
造り手による品質の差が少なくない。
栽培地
1974年にACに昇格したこのACは、<Côtes du Frontonnais (コート・デュ・フロントネ)>を名乗っていたが、 2005年に改名された。