イタリア北部東端の州。北はオーストリアと、東はスロヴェニアと国境を接し、南はアドリア海に臨む。州都はトリエステ。トリエステはかってはオーストリア帝国の海への唯一の門戸であった。
アルプスに連なる北部山岳地帯では牧畜が盛んで、酪農製品をも多く産出する。特に、サンダニエレ産の生ハムは有名で、パルマの生ハムと並びイタリア一の品質を競っている。
この地方のワイン造りの歴史は古く、交通の要所でもあったから、古代ローマ時代から行われてきた。
北から吹き下ろす冷たいアルプスの空気と南から内陸へ吹き込む暖かいアドリア海の空気が混じりあい、白ワイン造りの好条件を作っている。
意欲的・挑戦的生産者が多く、美しくよく整備された畑で造られるこの地のワインは、「フリウリスタイル」と呼ばれ、現代イタリアの「白ワインの聖地」とさえ言われ、白ワインの名声が高い。地方品種から国際品種まで、数多い品種を使い、個性を活かした高品質なものが多く、ワインの選択肢は広範囲に及ぶ。多くは北に連なるオーストラリアに出荷されている。
赤ワインも白には及ばないものの、注目すべきものが少なくない。
詳細情報を下記に記す。
DOCGに指定された地域は、ウディネの北、ニミス、ファエディッチ、トルラーノの丘陵地帯の200~450mの小高い丘や扇状地。
ワインは黄金色で、ハチミツ・アカシアの香りが強く、僅かにタンニンを含む厚みのある<甘口白>。
この地方固有品種・Verduzzo Friulano(ヴェルドゥッツォ・フリウラーノ)種で造られる。
この品種は、フリウリの最も古い品種で、ヴェルデ種とジャッロ種がある。
ヴェルデ種は平野部で栽培され、辛口ワインに仕込まれるが、
ジャッロ種は丘陵地に植えられ、糖度を高めて甘口デザート・ワイン用に使われる。
「ラマンドロ」は、このジャッロ種を使う。
完熟したブドウを樹につけたまま、あるいは摘み取った後、グラティッチと呼ばれる棚で乾燥させ、糖度を高めてから5~60日かけてゆっくり発酵させる。アルコール度数は14度と高い。
主生産者
I Comelli, La Roncaia, Ronco Vieri, BIdoli Vini,
(イ・コメッリ、ラ・ロンカイア、ロンコ・ヴィエーリ、ビドーリ・ヴィーニ)
コッリ・オリエンターリの東部の地区(ソットゾーナ)のチャッラは、ピコリット100%で造り、評価も高く、以下の独自のDOCGを名乗る。
Colli Orientali del Friuli Picolit Cialla
(コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ピコリット・チャッラ)
主生産者
Ronchi di Cialla (ロンキ・ディ・チャッラ Rocca Bernarda(ロッカ・ベルナルダ) Livio Felluga (リヴィオ・フェッルーガ) Banear(バネアール
主生産者
Midolini, Le Vigne di Zamo, Livio Felluga, Ronchi di Manzano, Rocca Bernarda, Ronchi di Cialla, Abbazia di Rosazzo,
(アッパツィア・ディ・ロザッツオ、ミドリーニ、レ・ヴィーニェ・ディ・ザモ、リヴィオ・フェッルーガ、ロンキ・ディ・マンザーノ、ロッカ・ベルナルダ、ロンキ・ディ・チャッラ、アッパツィア・ディ・ロザッツオ)
Friulano-フリウラーノ種:
果房は中程度で密着粒の円錐形。果粒は中程度に円形。果皮は黄緑色でやや厚い。アーモンド、干草などのデリケートな香りに穏やかな酸で柔らかな味わいを持つ麦藁色の白ワインを生む。
起源は明らかではないが、フリウリの昔からの品種。ソーヴィニヨン・ブランの縁戚関係にある品種。
主生産者
主生産者
主生産者
Rusiz Superiore, Schiopetto, Collavini, Livon, Marco Felluga,
(ルシッツ・スペオーレ、スキオペット、コッラヴィーニ、リヴォン、マルコ・フェツルーガ)
Friuli Isonzo(フリウリ・イゾンツォ)
イゾンツォ川両岸の丘陵地帯。土着と国際の数多い品種を使い、多様なワイン(24種)を造っている。多くは若飲みタイプ。総体的に良質だが、特に、国際品種のカベルネとメルローのワイン評価が高い。
Ronco del Gelso, Luisa Eddi, Vie di Romans, Pieropaolo Pecorari, Lis neris pecorari,
(ロンコ・デル・ジェルソ、ルイザ・エッディ、ヴィエ・ディ・ロマンス、ピエロパオロ・ペコラーリ、リス・ネリス・ペコラーリ)
Carso (カルソ)
スリヴェニア国境沿いにアドリア海との間に細長く広がるカルソ平野。ここはマルヴァージア種の<白>とテッラーノ種の<赤>で知られてきた。近年、国際品種に、土着の個性的なヴィトフスカ種を使う<辛口白>などユニークなワインを送り出し、著しい発展を示す地域である。
Cante, Zidarich, Milic Kmetija, Skerk,
(カンテ、ジダリク、ミクリ ケメティージャ、スケルク)
主生産者
Foffani, Vitas, Valpanera, Ca Boiani,
(フォッファーニ、ヴィタス、ヴァルパネーラ、カ・ポラーニ)
主生産者
F.Pighin, Antonutti, Fantinel, Di Leonardo,
(フラテッリ・ピギン、アントヌッティ、ファンティネル、ディ・レオナルド)
主生産者
Isola Augusta, Zaglia, Tiziano,
(イゾラ・アウグスタ、ザーリア、ディツィアーノ)