Piemonte 等北東部4州・・・Piemonte

Piemonte ピエモンテ

ピエモンテと言う州名は、「山の足」を意味する。
州名が示す通り、ピエモンテはアルプスの南の山麓に広がり、北をスイス、西をフランスと国境を接している。
州都・トリノは、かってはサルデーニャ王国の首都であった。サルデーニャ王国は、「サルデーニャ」を名乗るが、その経済・文化の中心はピアモンテにあって、「統一イタリア」創建に大きな役割を果たした。
フランスに隣接する地理的位置から、この州の習慣・文化にはフランスの影響が色濃く見られ、食文化、ワインも例外ではない。「スローフード運動」もこの地で誕生した。

 

トリノはイタリア諸都市の中でも最も美しい市街地を誇っている。本質的には農業州で、豊かな雪解け水に支えられ、国内一の米作地帯として、又有数のチーズの産地として発展して来た。
しかし、今日では自動車のフィアットが象徴するように、トリノを中心に工業も盛んで、ロンバルディアと共にイタリアでも群を抜いて所得水準の高い州となっている。

ワインの生産量では、全20州の第7位に過ぎないが、そのDOC(G)の数はイタリア最大で、トスカーナと共に、イタリアの誇る2大名醸地の一つである。
ピエモンテと言えば、「バローロ」「バルバレスコ」が世界的に有名だが、品質の高さと多種多様なワインを生み出すイタリア一番の土地である。

下記にそのDOCGと主要DOCの詳細情報を記します。

lin

 

DOCG

Barolo(バローロ)
「バローロ」は、長期熟成に耐えることから「イタリアワインの王様」と言われ、ボルドーやブルゴーニュの名だたるワインと比べられるイタリアを代表するワインである。
産地はアルバを中心とするランゲ地方。
帯状に伸びる丘の形状が舌を伸ばした形に似ていることから「ランゲ」と呼ばれる。

アルバはトスカーナのサン・ジミニャーノと同様に塔の町として知られ、周辺で造られるピエモンテの著名なワインの集散地である。
白トリュフでも有名で、秋には欧州各地からグルメが押し寄せる。

「バローロ」を生み出すネッピーロ種はピエモンテ地方を中心に古くから栽培されてきた品種で、13世紀の古文書に登場する。遅摘みで冷涼な気候を好むため栽培が難しいと言われている。
頑強なタンニンを持ち、長期熟成によってその本領を発揮するワインである。しかし、近年その製造法は大きく変化し、1990年代以降生産者の多くが小樽による熟成に変えたことによって、若くても飲めるものが生まれている。
ワインは、一般的にあまり濃くないルビー色であったが、近年濃いものが増えてきた。個性的な香りを含み、洗練された調和を持つ赤ワインである。ワインの70%は輸出されている。

バローロはその多くが単一葡萄園で造られている。ブルゴーニュのコート・ドールのように、生産者も多く、整然と区画された葡萄畑「クリュ」が眺められる。

主生産者
Ceretto, Pio Cesare, Giacomo Conterno, Aldo Conterno, F.Oddero, Michele Chiarlo, Conterno Fantino,
(チェレツト、ピオ・チェ-ザレ、ジャコモ・コンテルノ、アルド・コンテルノ、フラテッリ・オッデーロ、ミケーレ・キァルロ、コンテルノ・ファンティーノ)

lin
Barbaresco(バルバレスコ)
「バルパレスコ」は、「バローロ」と並ぶイタリアの偉大な長熟赤ワインである。畑はアルバを挟んでバローロと数キロ離れたちょうど反対側にある。バルパレスコ,ネイヴェ,トレイゾの村を中心に拡がっているが、その生産量はバローロの半分以下である。

バローロと同じネッビオーロで造るワインは、頑丈で,厳しく、優雅な面を持つ点ではバローロと共通しているが、最強のバローロには及ばなため、一般的には、「バローロの弟分」として知られている。
ブーケを強くするための樽と瓶での熟成(4~8年)も、バローロより少ないが,しばしば、バローロ以上の繊細さと調和の取れた品質を備えている。
生産者では、モダニストのアンジェロ・ガイヤと伝統主義者のブルーノ・ジャコーザが最高の評価を得てきたが,現在ではプロドゥットーリ・デル・バルパレスコ,マルケージ・ディ・グレーシイ,それに規模は小さいながら少数の生産者たちが賞賛されている。

大部分の「バルパレスコ」はタナーロ川の南の傾斜面にある単一葡萄園「クリュ」の選ばれた葡萄で造られている。

主生産者
Gaja, Marchesi di Gresy, Ceretto, La Spinetta, Bruno Rocca, Bruno Giacosa,
(ガイヤ、マルケージ・ディ・グレジィ、チェレット、ラ・スピネッタ、フルーノ・ロッカ、ブルーノ・ジャコーザ)

Gattinara & Gemme(ガティナーラ&ゲンメ)

北部ガティナーラ村周辺の標高400mの丘陵地(氷河によって作られた堆積土壌)で、ネッピーロ種90%以上使用し、ボナルダ種を加えて造られる<赤>。
長熟ワインで5~12年が飲み頃だが、中には20年以上の熟成に耐えるものもある。
輝くようなガーネット色。キイチゴの香り熟成に従いスミレの香り。アーモンドのソフトな苦味を持つしっかりしたワイン。
生産量は45万本と少ないが、その60%がアメリカ、ドイツ、日本に輸出されている。

ワイン造りは古く、古代ローマ時代からで、アンフォーラや葡萄収穫時の厳しい規定などが描かれた文書が見つかっている。

 

主生産者
Nervi, Antoniolo, Barra, Bertolo, Bianchi, Traviglini, Prunotto,
(ネルヴィ、アントニオーロ、バッラ、ベルトーロ、ビアンキ、トラヴァリーニ、ブルノット)

 

Ghemme(ゲンメ)

畑はピエモンテ北部のゲンメの村周辺。ネッピーロ種75%以上使用し、ボナルダ種を加えて造られる<赤>。
ガッテナーラに並ぶピエモンテ北部の長熟ワイン。
ガーネット色で熟成に従いオレンジ色を帯びる。スミレを思わせる独特の香りを持つ力強いワイン。

生産量は非常に少なく、殆どが国内消費。

ゲンメにおけるワイン造りの歴史はピエモンテ地方で最も古いと言われている。古代ローマ以前のエトルリア人のものと思われる紀元前7世紀の葡萄の種が発見されている。

 

主生産者 Cantalupo, Bianchi, Zannetta,
(カンタルーポ、ビアンキ、ザネッタ)
Roero & Brachetto d'Acqui(ロエロ & ブラケット・ダクイ)
ロエロの地域は、アルバの北側を流れるタナロ川の北に位置し、ちょうどタナロ川をはさんでバローロ、バルパレスコの生産地と反対側に位置し、サントステファノ・ロエロを初めとする地域で、<赤>はネッビオーロ種、<白>はアルネイス種からワインが造られている。
ロエロ地域のワインの著しい品質向上は最近のことで、DOCG昇格は2004年。高騰したピアモンテのワインの中では、コストパフォーマンスがいいから狙い目。

Roero (ロエロ)


は、ネッビオーロ種(95~98%)に若干アルネイス種を加えて造られる<赤ワイン>。
ルビー色で熟成に従いガーネット色を帯びてくる。デリケートで果実味があり、熟成するとエーテル香を放つようになるバランスの良い辛口。

Roero Arneis(ロエロ・アルネイス)


は、稀少なアルネイス種で造る<辛口白ワイン>。古くは甘口にされていたが、今日では、コルテーゼ種と並び、ピエモンテ地方を代表する白ワインと言える。アルネイス種は、かっては忘れられた存在だったが、1960年代に復活した。それはトリノ大学での研究成果が農家に伝わり、優れた苗が均一に植えられるようになったことによる。

この品種は、酸が弱くバランスに問題があったが、チェレット社やブルーノ・ジャコーザ社などの努力により、今日ではわずかにガスを感じさせるバランスの取れた味わいのワインとして人気を得るようになった。
ワインはやや薄めの麦藁色で、独特のデリケートな草や花の香りを含み、果実味があり、旨味を含んだワインになる。殆どの場合、単醸されるが、時にはコルテーゼ種やファヴオリート種などと混醸されることもある。

 

主生産者
Malvira, Bruno Giacosa, Prunotto, Negro Angelo, Monchiero Carbone,
(マルヴィラ、ブルーノ・ジャコーザ、プルノット、ネグロ・アンジェロ、モンキェーロ・カルボーネ)

 

Brachetto d'Acqui (ブラケット・ダクイ)

モンフェッラート丘陵のアックイ、テルメース、トレーヴィ地域で、ブランケット種100%で造られる<甘口赤ワイン>。殆どが発泡性に仕上げられる。
生産量は560万本と、同地方で造られる甘口の<アステイ>や<モスカート・ダステイ>とは比較にならない量である。しかし、独特で濃厚な味わいで、近年人気を得ている。
ブラケット種のオリジンについては、はっきりとしたことは分かっていないボアステイからモンフエツリーニにかけての地域で生まれたと言われている。

ブラケット種はワインにすると濃いルビー色で、麝香やマスカット、バラの花などの香りを含む。より強い香りと甘さを得るために陰干しされることもある。このワインは1970年頃までほとんど忘れ去られたDOCワインであったが、モンタルチーノのバンフィ社がこの地域でブラケットを造り始めてから品質も向上し、1997年、DOCGに認められた。

 

主生産者
Tosti, Braida, Livio Pavese, Barsano, Toso,
(トスティ、ブライダ、リヴィオ・パヴェーゼ、ベルサーノ、トーゾ)
Asti (アスティ)

1993年にDOCGに昇格したこのワインはイタリアでもっともよく知られたSpumante(発泡性ワイン)。

Astie(アスティ)」は、白の辛口から甘口まであるスパークリングワインで、「Moscato d'Asti(モスカート・ダスティ) 」は弱発泡性の甘口白ワイン。
両者ともモスカート・ビアンコ100%で造る。アステイ,クーネオ,アレツサンドリア3県の南モンフェツラート,東ランゲ両地方の広大な地帯の険しい丘陵で栽培され、その生産量は年間6万キロリットルで、上級ワインの中でもキャンティに次ぐ。

「アスティ」は、カネッリの町に集中している大手生産者によって造られている。
大量に処理する設備を持っている大手生産者の技術は、清澄済みの果汁をアルコール(7~9%)と残存糖分(3~5%)のバランスが完全な形になるまで密閉したタンクの中で低温で発酵させるというものである。その結果、さわやかな甘さと程よい力強さと生き生きしたアローマとを持つワインが出来る。
タイプの違いはあるが、その品質はDOCGという名目の下で、厳密に管理されているので均一である。
生産されたワインの約75%がアメリカ,イギリスそれにドイツなどに輸出されている。かっては、「貧乏人のシャンパン」などと言われた時期もあったが、近年、品質向上目覚しくそのイメージは払拭された。

Moscato d'Asti(モスカート・ダスティ)」は、殆どが、アルバとカネッリの間の標高の高いランゲ丘陵の小規模農園で造られている。
ワインのベースは、アステイ・スプマンテと同じものであるが,いっそうのアローマと風味を保つために、普通はモストをフィルターに掛け、発酵はアルコール度が5~6%に達すると止められる。この方法は甘いワインを造るが、炭酸ガスはガス圧がより少ないフリッザンテとやや多いクレマンの中間のレベルになる。その新鮮な風味はクリームのような生地と結びついて、“通”向きのものになる。

 

主生産者
Tosti, Ceretto, Gancia, Contratto, Bersano, Bruno Rocca, Bruno Giacosa, La Spinetta, Albino Rocca,
(トスティ、チェレット、ガンチャ、コントラット、ベルサーノ、ブルーノ・ロッカ、ブルーノ・ジャコーザ、ラ・スピネッタ、アルピーノ・ロッカ)
Gavi (ガヴィ)

Cortese di Gaviとも標記される。
ピエモンテ南部のガヴィの町を中心にコルテーゼ種から造られるワイン。<辛口白とスプマンテ>。

Cortese(コルテーゼ)種は、1870年頃からブドウの研究家グループによって認められ、20世紀初めのフィロキセラ禍以降、飛躍的に生産量が増大した。寒さには強い品種ではあるが、南向きの畑での栽培が条件とされる。

1970年代~80年代にかけて、このワインは世界中で知られるようになった。それは、「黒ラベルのガヴィ・ディ・ガヴィ」で知られるラ・スコルカ社のヴィットリオ・ソルダーティの功績によるところが大きい。
オーク樽を使うワインはまろやかさと厚みを持ち、総体的に水準が高く、1998年DOCGに昇格した。
ワインは、 麦藁色で、繊細かつ上品な香りとシャープな酸味を持つ調和の取れた辛口で、イタリアで最も人気のある白ワイン。

 

主生産者 La Scolca, Villa Spalina, Contorattoi, Castello di tassarolo,
(ラ・スコルカ、ヴィッラ・スパリーナ、コントラット、カステッロ・ディ・タッサローロ)

 

葡萄品種別DOC(G)

Barbera(バルベラ)
Barbera

ピエモンテの赤ワインの約半分は、このバルベーラ種で造られていると言われ、古くから北イタリアの人々に愛されてきたワインである。

バルベーラ種は、モンフェラートに始まる品種と言われているが、古い資料が残っていない。
もともとサヴォイア家の領内で甘口ワイン用に栽培され、当時ミラノを支配していたオーストリア人に売られていたと言う。

濃いルビー色で、特徴的なスミレの香りを含み、酸のはっきりした個性のある味わいで、近年、オークの小樽を使う傾向にあって、長期熟成の可能性秘めた洗練さを見せている。

地図に示したが、2つが2008年DOCGに昇格が認めらた。

 

lin

 

Barbera d'Alba(バルベーラ・タルバ)


産地は、アルバを中心とするランゲ地方。バローロ、バルバレスコを造る地域でもあるので、バルベーラ種主体に、ネッピーロ種を加える事も認められている。オークの小樽で熟成される傾向があり、比較的に、ボディーのしっかりした長命のものが造られる。
バローロやバルバレスコの影に隠されがちだが、注目に値する。

主生産者
Roberto Voerzio, Gaja, Ceretto, Pio Cesare,
(ロベルト・ヴォエルツィオ、ガイヤ、チエレット、ピオ・チェーザレ)

 

Barbera del Monferrato


(バルベーラ・モンフェラート)

モンフェラート丘陵地帯。バルベーラ種にフレイザ、グリニョーリ、ドルチェット種を15%まで加えることが認められているので、他のものより飲み易い、軽いものが作られる。4年以内が飲み頃の若飲みタイプが多い。

このSuperiore(スペリオーレ)のみ、2008年DOCGに昇格した。
表記は、Barbera del Monferrato Superiore

主生産者
Colonna, Angelino, Accornero,
(コロンナ、アンジェリーノ、アッコルネーロ)

DOCG: Barbera d'Asti(バルベーラ・ダスティ)

2008年、DOCGに昇格した。
アスティからアレッサンドリア県に掛けての地域。生き生きとしたフルーティーさが特徴で、大部分は若飲みタイプ。中には、豊かな構成の長熟のものもあるが、何せ、広大な地域で大量に生産されるから、ワインのスタイルは多様である。

主生産者
Michele Chiarlo, Bertelli, Braida, Prunotto, Bave,
(ミケーレ・キアルロ、ベルッテリ、ブライダ、ブルノット、バヴァ)

Dolcetto(ドルチェット)
Dolcetto

ランゲ地方の上記に示す地域で造られる<ドルチェット種>100%の<赤ワイン>は、若々しいルビー色で、果実香豊かで適度のタンニンを持ちながらソフトな口当たりのフルボディ。
一般的には若飲みタイプだが、造り方によっては熟成にも耐える。
<ドルチェット種>は、ピエモンテ南部のオルメア、アックイ地方で栽培が始められた品種で、18世紀にその生産地域が大幅に広がった。

以下に示す3つの地域が、DOCGへ昇格が認められた。
・<Dolcetto di Ovada><Superiore>  (2008年)
・<Dolcetto di Diano d'Alba> (2010年)
・<Dogliani>  (2011年)

 

Dolcetto d'Acqui(ドルチェット・ダクイ)


産地は、アックイ・テルメ、ストレーヴィ村周辺のポルミーダ川沿岸地帯。

 

主生産者
Scarpe, Cascina Bertolotto, Villa Sparina,
(スカルパ、カッシーナ・ベルトロット、ヴィッラ・スパリーナ)

 

Dolcetto d'Alba(ドルチェット・ダルバ)


アルバを中心にその周辺の村。生産量は一番多い。
生産者によってそのスタイルに差があるが、標準的なものはバランスがよく、果実香豊かである。

 

主生産者
Azelia, Aldo Conterno, Ceretto, Pio Cesare, Brovia,
(アゼリア、アルド・コンテルノ、チェレット、ピオ・チェーザレ、ブロヴィア)

 

Dolcetto d'Asti(ドルチェット・ダスティ)


産地はアスティ地方のランゲ丘陵に集中している。果実香に富む軽く飲み易いタイプ。

 

主生産者 Bersano, Cascina monreale, Baretta,
(ベルサーノ、カッシーナ・モンレアーレ、バレッタ)

 

Dolcetto di Ovada


(ドルチェット・ディ・オヴァーダ)
ピエモンテ東南にあるオヴァーダ周辺の丘陵は、ドルチェットの中では格上と言われていた。しっかりした構成を持つ長熟タイプが多く、いい年のものは、10年以上の熟成も可能と言われてきた。
最近は新鮮な若飲みタイプをも造る傾向にある。

2008年、<Superiore(スペリオーレ)>のみDOCGに昇格した。
表記は、<Dolcetto di Ovada Superiore

主生産者
La Guardia, Tacchino Luigi, Bergaglio, Renzo Semino,
(ラ・グァルディア、タッキーノ・ルイジ、ベルガリオ、レンツォ・セミノ)

 

DOCG: Dolcetto di Diano d'Alba  (ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ)

アルバの南ディアーノ・ダルバ地区。最初に公認されたドルテェットの葡萄園で知られている。ドルチェットの中では熟成にもむき、より上質と言われていたが、2010年DOCGに昇格した。

主生産者
Gigi Rosso, Paolo Monte, Il Palazzotto, Giovanni Abrigo,
(ジジ・ロッソ、パオロ・モンテ、イル・パラッツォット、ジョヴァンニ・アブリコ)

DOCG: Dogliani(ドッリアーニ)
クオーネ県ドッリアーニ周辺の村が、ドルチェット種起源の地と言われ、しっかりして持続する香味を持つ長熟タイプが多い。

<Dogliani or Dolcetto di Dogliani Superiore>が2005年DOCGに昇格したが、DOCであった< Dolcetto di Dogliani> と<Dolcetto delle Langhe Monregales>の2つも包括して、2011年DOCGに昇格した。
「DOCG・ Dogliani(ドリアーニ)」を名乗ることになった。

主生産者
Quinto Chionetti & Figlio, F.Pecchenino, Gillardi, Il Colombo, Cascina Monsignore, Bricco mollea,
(クイント・キオネッティ・フィーリオ、F.ペッケーニ、ジッラルディ、イル・コロンボ、カッシーナ・モンシニョーレ、ブリッコ・モッレア)

Grignolino(グリニョリーノ)
Grignolino-WineMap
グリニョリーノ種>は、ピエモンテのモンフェラートで生まれた独自の地元品種。
グリニョリーノ種90%以上に、色の濃いフレイザ種を加えて造るワインは、薄めの明るいルビー色。新鮮でハープの香りを含む。僅かにタンニンを感じるサッパリとした<辛口赤>。若飲みタイプ。

北イタリアの大都市の庶民の家庭料理に合うワインとして親しまれてきた。

以下の2つの地域がDOCとして認められている。

Grignolino d'Asti(グリニョリーノ・ダスティ)

産地は、アスティ周辺の35ヶ村。時には深みのある複雑なものに出会うこともあるが、総体的には、 冷やして飲むといい気軽に飲める若飲みタイプ。ロゼに近い淡い色調で、独特の苦味を持つ。

 

主生産者 La Marina, Cocito Dario, Brema,
(ラ・マリーナ、コチート・ダリオ、ブレーマ)

 

Grignolino del Monferrato Casalese


(グリニョリーノ・デル・モンフェラート カザレーゼ)
産地は、モンフェラートとガザレーゼ周辺の村。伝統のある地域はオリヴォーラ、テッルッジャ、トレヴィッレ、ヴィニャーレ・モンフェッラートの丘陵。ワインは明るいルビー色で、新鮮な酸味と程よいタンニンを持つ。

 

主生産者
Il Mogetto, Accornero, Biricco Mondalino, Pio Cesare,
(イル・モジェット、アッコルネーロ、リッコ・モンダリーノ、ピオ・チェーザレ)

 

地域別主要DOC(G)

南部の主要DOC

Piemonte(ピエモンテ)


ピエモンテ州の既存のDOC,DOCGでカバーできない一群のワインを括るDOCで、地方及び国際品種で造られる多種のワイン。

 

DOCG


Alta Langa(アルタ・ランゲ)

Alta Langa

2010年にDOCGに昇格した。

Alta Langa(アルタ・ランゲ)とは、「高い丘」を意味する。
ピエモンテ南部のタナーロ川右岸の、クーネオ県、アスティ県、アレサンドリア県で造られる、瓶内二次発酵によるスパークリング・ワイン。

 

使用品種は、シャルドネとピノ・ネーロ種を90~100%使う。白とロゼがある。
明るい済んだ色調で、バニラ香を持ちクリーンでフルーティー且つ複雑な味わい。

 

Langhe(ランゲ)


アルバ周辺のランゲとロエロの両丘陵で造られるワインを包括するDOC。既存のDOC(G)にとらわれない自由なカテゴリーとして作られたもの。
ネッピーロとバルベーラ種の混醸及び単品の<赤>とシャルドネ種の<白>などに注目すべきものがある。

 

主生産者
Gaja, Marchesi di Gresy, Ca Viola, Domenico Cierico, Conterno Fantino, Ceretto, Pio Csare,
(ガイヤ、マルケージ・ディ・グレジ、カ・ヴィオラ、ドメニコ・クレリコ、コンテルノ・ファンティーノ、チェレット、ピオ・チェーザレ)

 

Nebbiolo d'Alba(ネッッビオーロ・ダルバ)


土着品種・エルバルーチェ種100%で造るのフレッシュな辛口白。良質で、おおらか、口当たりのピチピチ下味わいを持つ。若飲みタイプ。
産地は北ピアモンテ。トリノの北、Biellaとの中間に位置する。
東南部の主要DOC

DOCG


Ruche di Castagnole Monferrato


(ルケ・ディ・カスタニョーレ・モンフェッラート)

産地は、カスタニョーレ・モンフェッラート丘陵。
土着の神秘的といわれる特殊品種・Ruche(ルケ)種で造る個性的な赤ワインで、この地方では、昔からこの品種で造ったワインは、特別な席でふるまわれる高貴なワインとして知られていた。

ルビーないしヴァイオレットの色調で、華やかで香りで高いタンニンが特徴で後味に苦味が残る。
ミディアムボディの辛口が多いが、甘口のパッシートもできる。
多くは若飲みタイプが造られるが、スカルバ社の造るものは評価が高く、4~5年で独特な優雅さを見せると言われている。

2010年DOCGに昇格。

 

Monferrato(モンフェッラート)


広大なモンフェッラート地帯をカバーするのDOCで、地方・国際品種で造られる多種の混醸ワインと単一品種ワイン。「スーパー・タスカン」に対抗する「スパー・ピアモンテーズ」を含む。

 

主生産者
Livio Pavese, Villa Sparina, Renato Ratti, Michele Chiario, Braida, La Spinetta,
(リヴィオ・パヴェーゼ、ヴィッラ・スパリーナ、レナート・ラッティ、ミケーレ・キアルロ、ブライダ、ラ・スピネッタ)
北部の主要DOC

DOCG


Erbaluce di Caluso


(エルバルーチェ・ディ・カルーゾ)
Caluso

2010年DOCGに昇格。

土着品種・エルバルーチェ種100%で造るのフレッシュな<辛口白>。良質で、おおらか、口当たりのピチピチ下味わいを持つ。若飲みタイプ。
産地は北ピアモンテ。トリノの北、Biellaとの中間に位置する。
ルイージ・フェツランド、チェック、ファヴァーロ、オルソラーニ、ヴイツトリオ・ボラット社のものがよく知られている。

Erbaluce(エルバルーチェ)種:
顆粒は中程度の大きさで扁円形。果皮は黄緑色でやや厚め。乾いた麦藁色。若草などの繊細な香り。味わいは柔らかく、軽い苦味を伴う。
アルプス山麓に起源を持つと言われているが、古代ローマ人がFianoの一種をピアモンテに持ち込んだものとも言われていて、ピアモンテ品種の中では最も古い品種の一つ。

 

Lessona(レッソーナ)


ヴェルチェッリ丘陵の小地域のネッピーロ主体の<赤>。熟成により洗練さを加える長熟タイプ。
6~8年以上の熟成が必要。

 

Sizzano(シッサーノ)


ノヴァーラ丘陵のシッサーノ村周辺。ネッピオーロ主体の長熟タイプの<赤>。10年以上の熟成に耐えるものが少なくない。生産量少ない。

lin