「アオスタの渓谷」と言う名前のこの州は、イタリア北西部の端に位置し、アルプス山脈によって、北をスイス、西をフランスと国境を接する。
スイス国境には、マッターホルン(4478m)、モンテ・ローザ(4634m)。フランス国境にはモンブラン(4807m)を仰ぐ山岳地帯。ウインター・スポーツのメッカであると共に、夏は登山を楽しむ人で賑わう。
言語も文化もフランス的で、公用語もイタリア語とフランス語の自治州。
州都はアオスタ。州を西北から東南に横切るトーラ・バルテーア川沿いに刻まれたアオスタ渓谷の中央に位置する。このトーラ・バルテーア川沿いの国道は古代ローマ時代からイタリアとフランスを結ぶ交易路として栄えた。
葡萄畑は、このトーラ・バルテーア川沿いの渓谷の切り立った斜面の800~1200mのところにある。棚式で栽培されている。
フランス系の品種とピアモンテ系品種の葡萄が栽培されているが、土着品種も多い。
ワインは個性的で高品質なものが少なくないが、生産量が少ないから国外はもとより州外でも手に入れるのは簡単ではない。
(DOCワインの生産は0.07%で、20州の20番目。)
<赤-Rosso・ロゼ-Rosato>は、プティ・ルージュ種主体。ミュラー・トゥルガウ、ガメイ、ピノ等指定品種を90%以上使用すれば、その品種名を名乗ることも出来る。
<白-Bianco>は、ブラン・ドゥ・モルジェ種主体。
主生産者
La Crotta di Vegnern, Les Cretes, Inst.A.Regional,
(ラ・クロッタ・ディ・ヴェニェローン、レ・クレーテ、インスティティュート・アグリコレ・レジョナル)
地域名を名乗る以下の7つのサブ・ゾーンがある。
Arnad-Motjovet(アルナー・モンジョヴァ)
州東南部、アナール周辺。ネッピーロ種70%以上の赤。土着品種の白。
Blanc de Mergex et la Salle
(ブラン・ド・モルジェ・エ・ド・ラ・サル
北西部、モルジェ周辺。1000~1300mの標高高い畑で、土着品種で造る辛口白。
Chambave (シャンパーヴェ)
東部、シャンバーヴェ周辺。モスカート種の白と土着品種の赤
Donnas or Donnaz (ドンナス or ドンナツ)
最南東部、ドナス周辺。ネッピーロ種の赤
Enfer d'Arvier (アンフェール・ダルヴィエ)
東部、アルヴィエ周辺。プティ・ルージュ種の赤
Nus (ニュス)
州都アオスタの東、ニュス周辺。指定品種で造る赤・白
Torrette (トッレッテ)
州都アオスタ周辺。土着品種とプティ・ルージュ種混醸の赤