INTRODUCTION 熟 成
ワインの熟成 熟成というのは、一般に樫樽で寝かせることをいう。

多孔性という樫樽の性質によって、ゆるやかに酸化が進んで、タンニンが柔らかくなり、風味に複雑さが加わる。

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熟成


熟成は、ふつう、赤白両方の高級ワインが対象で、長期間になる場合がある。

洩引き


ワインが熟成するにつれて、ワインの中に自然と澱がたまる。澱の粒子と触れあうことでワインに好ましくない風味が生じることがある。 澱引きをするときは(清澄のあとでおこなう)、ワインを樽から抜くか、ポンプで汲み出すかして、澱と分離させ、清潔な樽に移してやれば、ワインはさらに熱成をつづける。

清澄&濾過


清澄と濾過のテクニックは、ワインの清澄化として知られていて、瓶詰め後も、澄みきつた安定したワインを造るためにおこなわれる。
清澄というのは微小なタンパク質をとりのぞく作業で、卵白やベントナイトといった“清澄剤”を使って浮遊物を付着させ、樽の底へ沈澱させる。 濾過はワインから固形残留物を取り除くための作業。

ブレンドと瓶詰め


瓶詰めに先立って、ほとんどの場合、複数の樽のワインをフレンドしてからタンクに移す(この段階で、さらに濃過が おこなわれることもある)。
自動瓶詰め装置は高価なので、小規模な生産者の多くは瓶詰めの専門業者と契約を結んでいる。
瓶詰めで大切なのは、ゆっくりと慎重にワインを瓶に移し、窒素や二酸化炭素による酸化を防ぐことである。

瓶熟成


特上ワインの多くは、瓶詰後生産者のセラーヘ移し戻し、市場へ出す前にさらに熟成させる。ヨーロッパのいくつかのアベラシオンでは、これが法的に義務づけられているが、 それ以外の地域でも、品質を重視するワイナリーの多くが、費用のかかるこの作業を自発的におこなっている。

 

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ステンレスタンクと樫樽

ワイン醸造での設備の発酵槽は、樫が伝統的な素材だが、今日生産されるワインは、部分的または全面的にステンレスタンクが使われている。
それは気密性があり外部の影響を受けず、後の清掃作業が容易であるばかりでなく、現代の発酵槽には冷却装置が付属し、温度をきめ細かく調整することが出来るからである。

今日、このステンレスタンクの使用でワインの明るいフルーティな個性を強調する傾向がある。

樫は多孔性なので、ある程度の酸化が行われる。これによって果実味が弱まるが、反面複雑な風味を出すことが出来る。
新樽だと、スパイスやバニラの風味をワインに与えることも出来る。

ステンレスタンク使用の場合でも、このにたような個性を出すために樫の小片(チップ)をタンクに入れることがある。
(大量に生産される新世界ワインは、この樫チップが使われている)

ブレンドの技術

ワインは通常複数の樽や発酵槽のワインをブレンドして造る。
ブレンドには、フリーランスワインとプレスワインの2つを合わせるものから、複数の畑のワインを合わせるもの等様々なやり方ある。
ブレンドする源のワインには次のものがある。違う品種のワイン、違う畑から生まれたワイン、同じ畑でも違う区画から生まれたワイン、樫樽で熟成したワインとそうでないワイン、違うヴィンテージのワイン等々・・・。
ブレンドの基本は、ブレンド後のワインがそれぞれの構成要素の合計を上回るようにすることである。

ブレンドは、経験と優れた味覚と組み合わせによる変化を予測できる能力が必要で、高度な熟練の技の結晶と言える。

 

醸造・熟成

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