Chile Wine・・・Aconcagua Region
チリAconcaqua葡萄栽培地区

Aconcagua Valley (アコンカグア・ヴァレー)

南米最高峰のアコンカグア山(6,956m)を背景に、同名の河川の流域に広がる地域である。
古くから果実と花の産地として知られる農業地帯。

年間240~300日の晴天日数を数えるアコンカグア・ヴァレーは、その日照時間の長さが特徴。あふれるような太陽光によって昼の気温は上昇するが、西の海岸山脈に刻まれた渓谷から流れ込む冷たいと海風と、東の山岳部から降りてくる冷気よって夜間は冷却される。そのため、昼夜の気温差は極めて大きい。これが、活き活きとした果実風味が凝縮され、濃厚な色彩を持つ葡萄を育てる。
半乾燥地帯であるから、灌漑は必須で、広く導入されている。

この地におけるカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培の歴史は19世紀半に始まっているが、特に1990年代にパンケウエ地域にドリップ式灌漑が導入されて以降本格的に拡大した。近年、シラーの栽培も盛んになったが、共に、国際的に極めて高い評価を得ている。

名門エラスリス(Errazuriz)家が古くから所有するパンケウエの1,000haの畑は、ワイン用単一葡萄畑としては世界最大であるが、近年、渓谷の下流域まで広く葡萄栽培地は広がっている。

 

lin

 

Casablanca Valley (カサブランカ・ヴァレー)

 

今チリで最も活気ある産地のひとつである。カサブランカ・ヴァレーの発展は、1980年代に、チリの大牧場主モランデが、カリフォルニアの牧草地とワインヤードに感銘を受けて、森と牧草地が広がる場所でしかなかったカサブランカに、葡萄園を作ったのが最初で、カサブランカの起源と言われている。
*モランデが始めたワイナリーが、Casas del Bosque(カサス・デル・ボスケ)

この地域が、白ワイン用ブドウ栽培の理想的条件下にあるため、1990年代に入って、多くのワイナリーが進出した。現在ではヴァレー全体で数十のワイナリーが生産活動を展開していて、「チリの白ワイン」の代名詞とも言える地域である。

カサブランカ・ヴァレーの地形は、沿岸山脈が途切れていて、大きく広がる河口部から冷たい海風が大量に流れ込む。その冷気と霧の影響で大変涼しい気候が保たれている。
それがこの地独特の溌剌とした果実味溢れるワインを生み出している。ワイン生産が拡大しはじめた当初は、渓谷全体がほぼ均一な気候条件と考えられていたが、今日では多様な土壌と変化に富んだ微小気候(ミクロクリマ)の存在が関心を呼んでおり、標高や気温に応じて品種の選択が行われている。
より気温の下がる沿岸部では、ベンチレーターを設置して果実を凍結から保護するなど、様々な試みも行われている。

カサブランカ・ヴァレーの代表品種とされるシャルドネの他、ソーヴィニヨン・ブラン、また赤ワイン用では冷涼な気候を好むピノ・ノワールなども高い評価を得ている。

かなり新しい産地でありながら、首都から車で約1時間とアクセスも良く、チリ国内でも大変知名度の高い産地。2002年にはカサブランカ・ワイン街道が立ち上げられ、地域の観光名所として戦略的にプロモーション活動が開始された。

 

San Antonio Valley (サンアントニオ・ヴァレー)
San Antonio Valley (サンアントニオ・ヴァレー) は、カサブランカ・ヴァレーのすぐ南、サンティアゴから西に75kmに位置する。太平洋沿岸の河口部と低い沿岸山脈の間にあるから、太平洋から吹き付ける海風を遮るものは何も無い。南極海に端を発するフンボルト海流が生み出す、その冷たい海風の影響で気温は低く、夏から秋にかけては午前中に霧が多く発生する。

かつてはブドウ栽培は不向きな土地とみられていたが、カサブランカの成功が、この地のうねりのある沿岸丘陵地帯の開発を促した。
年間降水量は350ミリと乾燥しているから、灌漑は必須う条件である。

1997年にビーニャ・レイダが最初の植え付けを行ってから、次々に新興ワイナリーが誕生した。
チリ最南の産地マジェコ・ヴァレーに次いで小さなワイン産地である。

サンアントニオ・ヴァレーは、冷涼な気候を利用した白品種のシャルドネ、ソービニョン・ブラン、赤品種のピノ・ノワールといった品種の栽培されている。一般に温暖な地域で栽培されていた赤品種のシラーの栽培も始まっている。

サンアントニオ・ヴァレーは伝統的に牧畜、小麦栽培など農業と漁業を主産業とする地域で、太平洋岸にはチリ最大の貨物取扱量を誇るサンアントニオ港がある。海岸沿いには数多い海水浴場があり、ホテルやレストランが点在する。
ロッカ・デ・サント・ドミンゴは高級別荘地としても有名。イスラ・ネグラにはチリのノーベル賞詩人パブロ・ネルーダ(1904~73年)の家があったが、現在はパブロ・ネルーダ財団の博物館となり、ネルーダ自身が世界中から集めたコレクションが展示されている。
サンアントニオ・ヴァレーのワイナリーのうち、マテティックとカサ・マリンはワイナリーを一般観光客にも開放しており、レストランや宿泊施設が併設されている。

 

Leyda Valley (レイダー・ヴァレー)

サンアントニオ・ヴァレーの東の低い沿岸山脈の丘の谷間を、Leyda Valley (レイダー・ヴァレー)と言うが、最初にこの地に葡萄の植え付けを行ったワイナリーが、ビーニャ・レイダだったので、「レイダー・ヴァレー」と呼ばれるようになったと言われている。
そのビーニャ・レイダが牽引車となって、サンアントニオ・ヴァレーの開発が活発に行われるようになったので、この地だけ個別にDO栽培地に指定されたようである。

サブゾーンに

Lo Abarca (ロ・アバルカ)


が2018年認定。