穏やかな気候の土地故に、古代ローマ以前のエトルリア人によって始められたと言う古い葡萄栽培の歴史を持つ。近年、ワイン造りは盛んで、DOC(G)ワインの生産は8.7%で、20州の5番目。
アペニン山脈の最も険しい部分にあたり、グラン・サッソ山(2914m)やマイエッラ山(2795m)が堂々たる山容を見せている。ローマからの高速道路が整備されてからは、ウインター・スポーツを中心に観光客を引き付けている。州都は「L'Aquila(ラクイラ)」。
海岸線が長いものの、漁業よりも農業、牧畜業が盛んである。羊の放牧やハム・ソーセージの産地としては有名である。
DOC(G)の数が他の州と違って少ないから捉え易い。
州を代表するワインは、DOC・Montepulciano d'Abruzzo(モンテプルチャーノ・ダブルッツォ)
DOC・モンテプルチャーノ・ダブルッツォを生産する地域は、州全体に及び、生産量も多く、品質的にはかなり地域差がある。テラーモ県の丘陵地のこの<コツリーネ・テラマー> は、その品質の良さで、前々から高い評価を得ていた。2003年この地域のワインだけは、その評価に見合うDOCGに昇格した。
ワインはモンテブルチヤーノ種90%以上、サンジョヴエーゼ種10%以下で造られる<赤>。
しっかりしたタンニンを多く含み、構成の確かな長熟ワイン。出来上がったワインは、アルコール度数が12.5%以上を要し、木樽で12ヶ月以上、瓶熟も含めて24ヶ月以上の熟成を必要とする。
また、36ヶ月以上熟成させたものは<リゼルヴァ>と表示できる。
主生産者
Illuminati, Centosame, Villa Medoro, Antonio e Elio Monti, Nicodemi, San Lorenzo,
(イッルミナーティ、チェントザーメ、ヴィッラ・メドーロ、アントニオ・エ・エリオ・モンティ、ニコデミ、サン・ロレンツォ)
モンテプルチャーノ種を使ったワインは、濃いルビー色で、ブドウ香を含む独特の香りがあり、果実味と中程度のタンニンを含み、しつかりとした味わいの辛口の<赤>。中央イタリアの赤ワインの中ではそのまろやかさを特徴とする。膨大な量のワインが造られているが、ラクイラ県の渓谷産がベスト。
<Cerasuolo>チェラスオーロ(シチリアの赤とは異なる)と呼ばれる<ロゼ>もあって、薄い桜色の辛口で、包み込むようなボディーを持つ若飲みタイプ。<リゼルヴァ>もある。
州を代表するこのワインは、11,000万本と大量に生産されているから、当然、品質的には上から下までかなりの差があるが、コスト・パフォーマンスがいいから、日本のイタリア・レストランが”ハウスワイン”としているところが少なくない。
主生産者
Valentini, Masciarelli, Borone Cornacchia, Feuduccio,
(ヴァレンティーニ、マッシャレッリ、バローネ・コルナッキア、フェウドゥッチォ)
主生産者
Valentini, Masciarelli, Barone Cprnacchia, Marramiero,
(ヴァレンティーニ、マッシャレッリ、バローネ・コルタッキア、マッラミエーロ)