バジリカータ州は、イタリア半島南部の、長靴の土踏まずの部分に位置する。
ルカノアペニン山脈の麓の丘陵地帯に広がる。乾燥した土地が多く、沿岸地帯を除いては開発が遅れ、オリーブの栽培と牧畜が主な産業だった。それは南イタリアに共通する、大土地所有制が根強く続いた地域であった歴史に起因する。
しかし、近年は、野菜や花、タバコなどの栽培や酪農が盛んに行われるようになってきた。
古代ギリシャ人が植民したことに始まる古い歴史を持つが、ここもビザンチン、イスラム、ノルマン、スペインの支配を受け、19世紀にサルデーニャ王国に編入され、統一イタリアへの道を歩んだ。
プーリア州との境に近いマテーラは13世紀のプーリア・ロマネスク様式のドウォーモと洞窟住居(サッシ)の町として知られる。州都はポテンツア。
この地方でのブドウ栽培の歴史は古く、ギリシャから最初にブドウが導入された土地のひとつと言われているが、現在は、DOC(G)ワインの0.2%弱(20州の19番目)の生産地である。
サイズ的には、小さな生産地ではあるが、いにしえの栄光を残している、一つの銘酒がある。それは、Aglianico del Vulture(アリアニコ・デル・ヴルトゥレ)で、古くは王侯貴族の食卓を飾ったと言われている。バローロと肩を並べる長熟ワインである。産地の中心Venosa(ヴェノーサ)は、古代の詩人ホラティウスの生地。
熟成したものは、現代の南イタリアワインの最前線に立つ。ワインはルビーからガーネット色で、熟成でオレンジ色を帯び、香味の探さを持ち、口あたりも豊かでなめらか。
リオネーロとバリーレ周辺の火山土壌の高地のものはより上質。熟成5年(うち,樽2年)のリゼルヴは一層その持ち味を発揮する。
アリアニコ種は、「Aglianico」が、「ギリシャの」と言う意味の古語であることが示すように、ギリシャ人によって、紀元前7~6世紀にこの地にもたらされたと言う大変長い歴史を持つ品種である。
このAglianico del Vultureの <Superiore>(スペリオーレ)は、DOCG。
主生産者 C.S.Vuture, Paternoster, Venosa, Cantine del Notaio, Le Querce,