プーリア州は、イタリア半島南部、長靴のかかと部分に当たる。北にアドリア海、南にイオニア海に面する長い海岸線を持つ。
この地は、古代ローマ時代にはギリシャへの通行路に当たっていたところで、アッピア街道の終点のプリンディジ(Brindisi)と州都・バーリ(Bari)は、ギリシァ航路の基地として発展した町である。同時に、ナポリ、パレルモと共に、南イタリアの文化の中心でもある。
古代からギリシャ、ローマ、ビザンチン、サラセン、ノルマン、スペインと支配勢力がめまぐるしく交替し、大土地所有制が根強く続いた地域であった。1950年以降、農業改革地域に指定され、山岳地帯が殆ど無い地形だから、改革が大規模に進められた。その結果、現在では灌漑が進み、イタリアの農産物の大供給地になっている。又、プリンディジ、州都・バーリ、ターラント等の港湾都市は、製油、製鉄等の近代工業も発展している。
ワインの生産においても、温暖な地中海性気候に恵まれているから、州の全域でワインを産出し、シチリア、ヴェネトと並んで量産を誇っていて、ブレンド用のワインを大量に輸出して「ヨーロッパワインの貯蔵庫」などと呼ばれてきた。しかし、ここ20年劇的に変化している。原産のブドウ品種が多く、個性豊かでユニークなワイン造りが始まっている。とは言え、DOCワインの生産は6%に過ぎない。
ギリシャから伝えられた色の濃い品種・ウーヴァ・ディ・トロイア種主体の<赤・ロゼ>とパンパヌード種にトレッピアーノ種等を加えて造る<白>がある。
<赤>は、ガーネット色を帯びたルビー色で、タンニンの調和の取れたしっかりしたワイン。
<ロゼ>は、薄いルビー色で、アロマを含んだ辛口。
<白>は、薄い麦藁色で、新鮮でアロマのきいた上品な辛口。
主生産者
Rivere, S.Lucia, Torrevento, Vigneti del Sud,
(リヴェーラ、サンタ・ルチーア、トッレヴェント、ヴィニェーティ・デル・スッド)
このロコロトンドの町周辺で生育する珍しい品種・ヴェルデーカ種にビアンコ・ダレッサーノ種を加えて<辛口白>を造る。
薄緑から明るい麦藁色で、繊細な上品さを持つ。
この地の味わいのある<白>の一つである。プーリアを代表するワインと言える。スプマンテもある。
主生産者
Rivera, C.S.Locorotondo, Carparelli, Cardone,
(リヴェーラ、C.S.ロコロトンド、カルパレッリ、カルドーネ)
主生産者
Masseria Monaci(マッセリア・モナチ)
パンチの効いた早熟のこの品種から、スミレがかったルビー色で、果実風味豊かな若飲みタイプの<赤>を造る。強化ワインの<リクオローゾ>(アルコール度17.5~18%)もあり、4~5年の熟成でオレンジ色に変わり、複雑な味わいを持つワインになる。
主生産者
Leone de Castris, Feudi di San Gregorio, Cantele, Accademia dei Racemi,
(レオーネ・デ・カストリス、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ、カンテレ、アッカデミア・ディ・ラチェーミ)
主生産者
Leone de Castris, Taurino, Cantele, Due Palme,
(レオーネ・デ・カストリス、タウリーノ、カンテレ、ドゥーエ・パルメ)
主生産者
C.Torretta Zomarra, D'Alfonso del Sordo,
(C.トレッタ・ゾマッラ、ダルフォンソ デル・ソルド、) ,