BORDEAUX Médoc
medoc

メドック(地区)は、
ボルドー市から北に向かって伸びる半島にある地区で、半島の西側の大西洋と東側のジロンド河の間に位置するので、 ラテン語の in medio aquae(水の真ん中)からきた地名。

葡萄畑は、西の大西洋側に広がる松林によって潮風から守られ、ジロンド河口を見下ろす半島の東側の小高い丘にある。
高度は最も高いところにあるリストラックでも標高はわずか44mだから、ほぼ平坦と言える。河沿いに幅10~15km、長さ80kmにわたり広がっている。

良く整備され単調に見える葡萄畑が広がる景色が、18~19世紀に建てられた豪華な館(シャトー)の出現によって、突如として破られるのがメドックの特徴。

水はけのよい砂礫層(小石、砂、砂利の混合土)の土壌は、河によってピレネー山脈や中央山塊から運ばれてきたものである。

主要品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン種に最適で、これに多くはメルロ種を配し、長期保存の可能な、コシのある、しっかりした赤ワインを生み出す。 生産されるワインの大半は海外に輸出されている。

*「Médoc」と言えば、一般的にガロンヌ河左岸一帯の「地区」を言うのだが、「AOC:Médoc」は、地図上でピンク色で示す最北部の地域を指す。 紛らわしいので、当Webでは、「AOC:Médoc」を指す場合は「AC」を付けて表示します。

 

村名AOC


以下の6つの村には、世界的に著名で偉大な格付けシャトー(Crus Classés)が集中しており、最高級ワインの産地。
St-Estéphe(サン・テステーフ)
Paddllac (ポイヤック)
St-Judden (サン・ジュリアン)
Listrac-Médoc(リストラック・メドック)
Moulis (モーリス)
Margaux(マルゴー)

地区AOC


以下のの2つACは、最高級の傑出したワインこそないものの、気軽に楽しめるワインが造られていて、他の地域のトップクラスに比適するワインである。
AC:Médoc(AC:メドック)
Hout-Médoc(オー・メドック)
メドック地区のAOCの詳細情報は、最後部に示すように、5つにページ分けした。

 

AOC詳細情報
村名AOC

Moulis ムーリス

Moulis(ムーリス)

この<ムーリス>と<リストラック>の2つのAOCだけは、ジロンドの河岸がら離れ、<マルゴー>と<サン・ジュリアン>の間の奥まった西の位置にある。
葡萄栽培に最適な下層土壌がこの地区は、太古の地殻変動でドーム状に持ちあがり、その後の侵食と堆積作用で、石灰と粘土とガロンヌの砂利で構成された丸い頂きが出来た。その地殻変動の反動で、川岸寄りには優良畑がなくて、マルゴーとサンジュリアンは接していない。

格付けシャトーがない関係で軽視されがちだが、丸い頂の一つにある「シャトー・シャス・スプリン」はバイロンが名付け親で名高く、格付けクラスと十二分に肩を並べているブルジョワ級シャトーである。

このACには、最高のブルジョワ級シャトーが多い。
近年この地の酒質の向上は目覚しい。割安だから狙い目。

ワインは、果実香に富み、力強く、リッチ。<ムーリス>はどちらかと言えは、タフで、長命。

  • 生産量
     30,277hl (630ha)
  • 主品種
     <赤>メルロ、カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン

Listrac-Médoc リストラック・メドック

Listrac-Medoc(リストラック・メドック)

<リストラック>と言う言葉は、「周辺」を意味している。つまり。メドックの周辺という位置を示している。
<ムーリー>とほぼ同質の地形と土壌の上にあって、葡萄品種も栽培方法も変わりはない。
違いは<ムーリー>が500ha弱の畑に約30の生産者と数が少ないが、<リストラック>は、600ha強の畑が100人以上の人に所有され、150以上の家族によって生産されている点である。

従って、生産者による質の差が少なくなく、特に、繊細さに欠けるきらいがあるが、近年、共同組合による若い生産者の活動がそれを補ってきた。

ワインは、<ムーリス>に比べ、早熟の傾向にあるのは、メルロの比率が高いからであろう。< リストラック>も<ムーリス>も共に、タイプは<サン・ジュリアン>に近い。

  • 生産量
     30,277hl (630ha)
  • 主品種
     <赤>メルロ、カルベネ・フラン&ソーヴィニヨン
地区AOC

Médoc メドック

AC_Médoc(AC:メドック)

ジロンド河下流は、以前は「バ・メッドク」と呼ばれていた。AOC上この地区を<メドック>と言う。< オー・メドック>を含めた全体を一般的には「メドック」と言うので紛らわしいが、ワインのラベルで<Medoc (メドック)>と表示されたものは、この河口の地区のもので、14ヶ村で生産される。

砂利が露頭している地域で、土壌が重いため、<オー・メドック>に比べるとメルロの栽培比率が高い。ワインはどちらかと言えば、風味豊かで重くない。飲み頃は5~10年。

ブルジョワ級のシャトーの近年の進歩はめざましいものがあり、気軽に楽しめるいいワインが造られている。

  • 生産量
     239,642hl (5,750ha)
  • 主品種
     カベルネ・ソーヴィニオン、カベルネ・フラン、メルロ

Haut-Médoc  オー・メドック

Haut-Médoc(オー・メドック)

このAOCは、6つの有名な村名AOC( ST- ESTEPHE、 PAUILLAC、 MARGAUX、 ST-JULIEN、 LISTRAC、 MOULIS)を除く、ボルドー市の郊外からサン・スーラン・ド・カドゥル(St-Suerin de Cadourne)までの29の村を含む地区(地図上で紫ピンク色)に適用される。
ブルジョワ・シャトーが多く、全生産量の6割を占める。

ワインは、一般的に、色合いは生き生きとして輝き、味わいはコクがあ。プティ・シャトーが多いから(100ha以上の畑を持つものは僅か10)、品質のばらつきは大きい。
ワインのスタイルもかなり幅があって、北部の村のものは風味豊かで逞しく、南部の村は柔らかく軽いワインを造る傾向がある。 飲み頃は5~10年。

近年、栽培面積の増加傾向は著しく、1970年代初頭の2倍以上になっている。この傾向はメドック全体に言えることで、ACメドックに於いても著しい畑の拡張がなされている。

  • 生産量
     213,893hl (4,608ha)
  • 主品種
     カベルネ・ソーヴィニオン&フラン、メルロ

 

格付けシャトー詳細
第3級 Troisiémes Crus

Camensac カマンサック

label-Ch Camensac

長く格付けに値しない低迷状態が続いていたが、1965年スペインのフォルネル家(名醸リオハ・ワインの生産者)が取得。ペイノー教授の技術指導の下、設備を一新し再興する。

近年、豊かさを持ったバランスのいいワインを送り出している。いい年のものはボディーもしっかりした秀逸なものを出し期待されている。

  • 生産量
     29,000ケース (75ha)
  • 主品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン60%、メルロ40%
  • セカンド・ラベル
      La Choserie de Camensac

Cantemerle カントメルル

label-Ch Cantemerle

20世紀前半までは、高名を維持していたが、相続問題で混乱し、低迷していた。1980年コルディエ社グループが買収。資金と技術を投入、長い低迷から脱皮する。

重厚さには欠けるが、優美で、クラレットの楽しさを満喫させてくれる「小粋」なワインと言われ、近年、格付けにふさわしい実力を回復したと評価されている。

  • 生産量
     55,000ケース (50ha)
  • 主品種
     カルベネ・ソーヴィニヨン50%、メルロ40%、フラン5%、プティ・ヴェルト5%
  • セカンド・ラベル
      Villeneuve du Cantemerle

 

Vintage Chart

Vintage-Medoc maturity ratings

Médoc AOC詳細

本ページ :
AC:Médoc,Hout-Médoc,Listrac-Médoc & Moulis(メドック,オー・メドック,リストラック・メドック & モーリス)
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St-Estephe (サン・テステーフ)
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Pauillac(ポイヤック)
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St-Julien (サン・ジュリアン)
Page-5 :
Margaux(マルゴー)
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