Napa 著名ワイナリー

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Napa著名ワイナリー

 

ROBERT MONDAVI WINERY (Oak Knoll) (ロバート・モンダヴィ) 

ROBERT MONDAVI

1966年創業のモンダヴィは、ボルドー、ブルゴーニュのような、高級フランスワインを目標に、ヨーロッパの伝統を学ぶと共に、アメリカの最新テクノロジー、更には経営・マーケティングの専門知識を組み合わせた。つまり、ワイン造りでは、低温発酵、ステンレスタンク、フランス産オーク小樽の試み等、当時のカリフォルニアにはなかった新しい方法を取り入れた。また、ワインビジネスで成功するにはワイン造りの専門知識と同じくらいマーケティングが重要だということを知り実践した。

今日の一大観光地になったNapaの文字通り先覚者であり、カリフォルニアワインが世界的に有名になったのは、ロバート・モンダヴィの功績による。
残念ながら現在経営権はニューヨーク州に本社を有する、世界最大のワイン会社、コンステレーション・グループに譲渡された。
多くの高級ワインも造っているが、値段の手頃のワインも多く有り日本でも有名。

 

DUCKHORN VINEYARDS (St. Helena) (ダックホーン)
DUCKHORN VINEYARDS
ダックホーン・ヴィンヤーズは1976年、ダックホーン夫妻によって、セント・ヘレナの北に設立された。
創立当初からメルローに全精力を注ぎ込み、当時はカリフォルニアでは、ブレンド用の品種としか捉えていなかったメルロー種のワインでスターダムにのし上がり、今日のメルロー隆盛に貢献、ナパ・メルローの立役者と言える。
現在、畑はハウエル・マウンテン、セント・ヘレナ、ヤントヴィルにまで拡大し、100ha以上。ブドウの収穫・選果を厳しく管理して造るワインの評価は高く、 オバマ前大統領の就任式の昼食会にも供された。
BERINGER VINEYARDS (St. Helena) (ベリンジャー)
BERINGER VINEYARDS
ドイツ移民のべリンジャー兄弟によって1876年創立された。以来現在まで一族がワイン造りに携わるナパでも数少ない老舗中の老舗。
禁酒法の時代にも教会のミサ用にワインの醸造を許されていたことや大陸横断鉄道建設に従事した中国人労働者が、数年掛けて掘ったトンネルが、現在もワインの貯蔵と熟成に使用されていることでもよく知られ、ワインツアーの訪問者で賑わいを見せている。
1900年代中盤一時期低迷していたが、1970年以降復活。高い評価と幅広い人気を獲得している。
ワイン・スペクテーター誌の「ワイン・オブ・ザ・イヤー」を赤・白両部門で受賞。また、「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれている。現在14品種、約30タイプの幅広いワインをリリースしているが、頂点に立つのは、2004年9月に行われた、ブラインド・テイスティングで他を圧倒した、「ベリンジャー・プライベート・リザーブ」。
GRACE FAMILY VINEYARDS (St. Helena)  (グレイス・ファミリー)
GRACE FAMILY VINEYARDS
ニューヨークのエリート証券マンだったディック・グレースが、リタイアした後に、わずか0.4haのセントヘレナの畑から、驚愕のカベルネを創り出したカルト・ワイン・メーカー。
カルトワインの名がカリフォル二アに広まったのは このGRACE FAMILY VINEYARDから。
初ヴィンテージは1978年で、その後数年間はケイマスでワイン造りが行われていたが、1983年ヴィンテージからグレース・ファミリーの自社ブランドとしてリリースした。当初のワインメーカーはゲリー・ギャレロンだったが、95年からハイジ・バレットに引き継がれている。
年間生産はわずかに200ケースのワインはメーリングリスト登録者のみで殆ど市場に出ない。
HEITZ CELLAR (St. Helena) (ヘイツ)
HEITZ CELLAR
カリフォルニア大学ディービス校で、栽培と醸造を学んだJoe HeitzとAlice Heitzによって1961年に設立。
長期熟成型の傑出したカベルネの造り手として一世を風靡した。代表作である「マーサズ・ヴィンヤード」と「ベラ・オークス・ヴィンヤード」は、ブルゴーニュの特級畑のように、それぞれの畑名がブラ ンド名になっている。
この古くから最上級と知られている畑のオーナーとの葡萄供給が長年続いているのは、ジョー・ハイツが、ナッパの伝説的名醸造家・アンドレ・チェリチェフの下で最初働いて居たことにもあるが、何よりも、豪華絢爛を表に出すナパの多くのワイナリーとは一線を画す素朴で真摯な職人的ワイン造りの姿勢にあるようだ。
SPOTTSWOODE WINERY (St.Helena)  (スポッツウッド)
SPOTTSWOODE WINERY
ワイナリーは、1982年にノヴァック家によって設立されたものだが、セントヘレナ西の山裾のその畑の歴史は古く、120年以上も前の1882年。
1910年にアルバート・スポッツ氏の手に渡り 『Spottswoode』 の名が付けられた。1972年、現在のノヴァック家が購入、ワイナリー設立までの10年間は、ノヴァック家は葡萄栽培だけに取り組んでいたが、その果実は「シェーファー」・「ダックホーン」へ供給するほどの高水準に達していた。
設立時のスタッフに、ヴィンヤード・マネージャーとしてデヴィッド・エイブリュー、ワインコンサルタントとしてトニー・ソーターという超一流処を招き、もともとあった良質葡萄生産のポテンシャルもあって瞬く間に「スポッツウッド」の存在は全米に知られることとなる。
ロバート・パーカーをして、「ナパのシャトー・マルゴー」 と言わしめたように、女性的とされるそのワインは、洗練された優雅さ持ち、ナパ・カベルネの中でも際立った存在感を確立している。
MARKHAM VINEYARDS (St. Helena) (マークハム)
MARKHAM VINEYARDS
1874年、フランス・ボルドーからの移民・ジーン・ローレンによってスタートしたナパで4番目に古い老舗。
設立からおよそ100年後、ブルース・マーカムが所有者となり、ヤントヴィルやカリストガ等のぶどう園を加え、マーカム・ヴィンヤーズが設立された。
1988年にメルシャンが買収し、4年の歳月と莫大な費用を費やして、超近代的ワイナリーに生まれ変わった。日本のメルシャン本社からも日本人技術者が常駐し、ワイン生産も500ケースから20,000ケースへと増え、ワインの品質も向上し、カリフォルニアを代表するワインを造っている。
JOSEPH PHELPS VINEYARDS (St. Helena)  (ジョセフ・フェルプス)
JOSEPH PHELPS VINEYARDS
コロラドで建築業者として成功したジョセフ・フェルプスが、1972年、650エーカーの農園を買い取り、セントヘレナの東、スプリング・マウンテンの麓にワイナリーを設立。
「インシグニア」は、カリフォルニアで最初に作られたボルドー・ブレンド「リテージュ」。その品質の高さは、同じボルドー・ブレンドの「オーパス・ワン」と双璧だが、そのリリースはオパス・ワンよりも早く、 1978年(1974年もの)。このインシグニアを作り出したのは、創業時からワインメーカーを務めていたウォルター・シュグ。
テロワールの重要性を学んだフェルプスは、スタッグス・リープ、ラザフォード、オークヴィル、オーク・ノール、カーネロスなどに自社畑を開発、現在の生産量は年8万ケース、その約 90%は自社畑から造る。
ナパでは老舗と言えるジョセフ・フェルプスは、カリフォルニアにおいて最も成功したワイナリー。現在、ジョセフ・フェルプスは会長に退き、92年から経営参加したトム・シェル トンが社長を務めている。ワインメーカーはウォルター・シュグが83年ワイナリーを立ち上げ独立したため、76年から彼のアシスタントを務めていたクレイグ・ウイリアムスが担っている。
PRIDE MOUNTAIN VINEYARDS (St. Helena)  (プライド・マウンテン)
PRIDE MOUNTAIN VINEYARDS
ワイナリーはナパとソノマの境界線上に位置する、スプリング・マウンテン地区の標高2000フィートの地にある。1990年の設立。
この地は1950年代まで電気、電話、道路も不整備の野生の厳しい環境で、最初に葡萄畑が造られたのが1869年。
ワインメーカーは老舗の「ハイツ・ワイン・セラーズ」でキャリアをスタートさせたボブ・フォーリーで、注目される醸造家の1人として知られている。
ワインはカリフォルニア以外での入手困難で、愛好家たちの間では話題のブティック・ワイナリー。
DALLA VALLE VINEYARDS (Oakville) (ダラ・ヴァレ)
DALLA VALLE VINEYARDS
ダラ・ヴァレは、長年北イタリアでワイン事業に携わる家系に生まれた実業家のグスタフ・ダラ・ヴァレが、1982年オークヴィルの東側ヒルサイドに、10haの畑を購入。2年後に年産300ケースの「MAYA(愛娘の名から命名)」をリリースして以来、高い評価を受けているカルト・ワインメーカー。
ワインメーキングは、トニー・ソーターなど著名醸造家が担うが、現在はアンディ・エリクソン。なお、グスタフ・ダラ・ヴァレは1996年他界し、現在その夫人・ナオコ・ダラ・ヴァレ(兵庫県芦屋出身)が引継いでいる。
FAR NIENTE WINERY (Oakville) (ファー・ニエンテ)
FAR NIENTE WINERY
1885年創設の老舗・ベンソン・ワイナリーを1979年にジル・ニッケルが当時の金額で2億ドルを投じて修復したワイナリー。
ナパでも名高い畑が集まるオークヴィルの西側、マヤカマス山脈の山裾にある。
カベルネとシャルドネ、2種のみを生産。自社畑は現在約68ha。ロバート・モンダヴィのベスト区画、マーサズ・ヴィンヤード(ハイツ)、UCディヴィス校の実験畑など、秀逸とされる畑と隣接している。
FAR NIENTE(ファー・ニエンテ)とはイタリア語の「何もしない」が語源。
「このワイナリーは初期投資が大きかったので、価格設定が高い過ぎる」という事も良く聞かれるが、Napaのワインは、名醸地負け、人気負けの品質のワインも少なくない。
HARLAN ESTATE (Oakville) (ハーラン)
HARLAN ESTATE
不動産ディベロッパーとして、大きな成功をおさめたウィリアム・ハーランが、長年の夢である「世界でトップ・クラスのワイン造り」を実現するために、1980年代半ば、オークヴィル西の丘陵の土地を購入(現在は100ha)。
栽培とワイン造りは、ロバート・レヴィに、ボルドーの有名なワイン・コンサルタント・ミシェル・ロランも参画。
凝縮を狙っての徹底した収量抑制、タンニンを熟させ且つ糖分を上げる遅い収穫。厳しい選果。発酵はステンレスとオークの併用で、高い温度で1ヵ月以上がミシェル・ロランの基本のスタイル。
90年ヴィンテージが最初のリリース。発表と同時に一大センセーションを巻き起こし、瞬く間にカリフォルニア・ワインの最高峰に駆け上ったカルト・ワイン。
OPUS ONE WINERY (Oakville)  (オーパス・ワン)
OPUS ONE WINERY
CH・ムートン・ロートシルトのフィリップ・ド・ロッチルト男爵 (Baron Philippe de Rothschild) とロバート・モンダヴィの間で合弁事業として1978年に設立された。
このジョイント・ベンチャーの立ち上げは、当時カリフォルニアのワイン産業の一大ニュースであったし、フィリップ・ド・ロッチルトのこの動きは、急成長するナパ・ワインに一層の格を与える結果となった。
ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンベースのボルドーブレンド。
オーパスワン(Opus One)とは音楽用語で「作品番号1番」の意味で、『一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ』という考えからロスチャイルド男爵が命名したもの。
ZD WINES (Oakville) (ゼロデフェクト)
ZD WINES
ZD=Zero Defect(欠点なし)と名づけられたこのワイナリーは、宇宙工学に携わっていたジーノ・ゼッポーニとノーマン・デ・ルーズによって1969年に設立された。
異業種からの転身の多いカリフォルニアでも特に異色の経歴である。
ワイナリー名も異色だが、造るワインも1級品で、ホワイトハウスの晩餐会にも供されるほどの品質の高さを誇っている。
伝統に縛られない、新たな発想で生まれた、フラッグシップワインは年産200ケースの「ABACAS」。
Billecart-Salmon (ビカール・サルモン) 
Billecart-Salmon
1818年創設以来家族的経営で、少量逸品主義を保持。伝統的製法で高品質を追求してきた。「アイの宝石」と言う愛称を付けられている。
しっとりとしていながら生き生きとした泡立ち、フルボディだが重たくなく、力強いのに荒削りのところがない。それに優雅さが加わる。 辛口の品質はトップ級の極上品。同社のブラン・ド・ブランは特に評価高い。

 

栽培地:(赤)6.3haの所有畑+葡萄購入(白)4.25haの所有畑+葡萄購入
生産量: 120万本
ABREU VINEYARDS (Rutherford) (エイブリュー)
ABREU VINEYARDS
エイブリューは、カルト・ワインの代名詞的存在の
「MADRONA RANCH(マドロナ・ランチ)
「THOREVILOS(トレヴィロス)
の造り手。

デヴィッド・エイブリューは、ブライアント・ファミリー、コルギン、ハーランなど著名ワイナリーをクライアントに持つナパのヴィンヤード・マネージャーの第一人者。
ワイン・メーキングは、氏より全幅の信頼を受けるリックフォーマン。彼もまた、スターリングやニュートンの名を高めたナパを代表的名醸造家の一人。

CAYMUS VINEYARDS (Rutherford) (ケイマス)
CAYMUS VINEYARDS
1972年チャリー・ワグナーの創設したワイナリーだが、ワグナー家は、20世紀初頭のアルザスからの移民で、40年代初めにラザフォードの73エーカーの果実農場を買い取り、葡萄栽培を始めた農家であった。 社名はその地の「Rancho Caymus」に由来する。 1986年著名なワインメーカー・ランディ・ダンを迎え、本格的長熟のボルドータイプのカベルネを造る。
その「スペシャル・セレクション」は輝かしい受賞歴を誇り、「Best Winery for Cabernet Sauvignon or Cabernet Blend in California」にも選ばれている。
Ch:MONTELENA WINERY (Rutherford)  (モンテリーナ)
CHATEAU MONTELENA WINERY
1882年創設の老舗。禁酒法時代に惨澹たる状況に陥るが、1972年元弁護士のジェームス・バレットが荒廃したワイナリーを建て直し再生させた。
1976年にパリで行われた、フランスとアメリカ・ワインの対決で、白ワイン部門で1位になったのがここのワイン。
以来世界に通じるカリフォルニアのトップメーカーとして名を馳せ、絶大な人気を誇っている。 ワインメーカーのボー・バレットは「濃厚な評論家受けするワインは本意でなく、エレガントなワインを目指している。」と語っているが、各ワイン誌からは最上級の評価を受けている。
その高名な長熟白ワインと共に、モンテリーナの最高峰カベルネ・「エステート」はボルドーの一級品にも勝るスーパー・プレミアム・ワイン。
ツタの絡まるワイナリーの建物も素晴らしいが、葡萄畑の真ん中に美しい東洋庭園を有している。現在の所有者のバレット夫妻はカリフォルニアを代表するワインメーカーとして、多くのワイナリーのコンサルタントも勤めている。
FROG'S LEAP WINERY (Rutherford)  (フロックス・リーブ)
FROG'S LEAP WINERY
ジョン・ウイリアムスは、カリフォルニア大学デイビス校大学院で、醸造・栽培学の修士号を取得後、スタッグス・リープ・ワインセラーズで働いていたが、1981年、パートナーのラリー・ターリーと共に始めたワイナリー。
今では52haの畑を所有し、すべての畑は化学肥料を一切使わない有機栽培。(フィロキセラを消化する微生物の数が、他の畑の10倍だとも言われる)カエルのラベルはワイナリーの近くにカエルの養殖場があったからのようだが、有機栽培を象徴していてユニーク。
LAIL VINEYARDS (Rutherford) (レイル)
LAIL VINEYARDS
オーナーのロビン・レイル女史は、全盛期のイングルヌックのオーナー、ジョン・ダニエルの次女。レイル女史は、1982年、クリスチャン・ムエックスとのジョイント・ベンチャー・「ドミナス」 を立ち上げるが、1995年ドミナスの持分を総てムエックス側に売却し、この「レイル・ヴィンヤーズ」を設立した。
その時、ドミナスを生み出すナパヌック畑の中で、最高のブロックだけは売却せずに手元に残した。このブロックと、ハウエル・マウンテンに新しく購入した畑から、100%自社畑の年3,000ケースの ワインを造っている。
ワインメーカーは、ロバート・パーカーが当時「ナパ・ヴァレーで最上と言えるコンサルタントとしての評判を急速に確立しつつある」と評し、今やカルトワイン請負人とも言える、フランス人のフィリップ・メルカ。フラッグシップワインは、ナパの名家の象徴である父親の名前をつけた「ジョン・ダニエル・キュヴェ」。
STAGLIN FAMILY VINEYARD (Rutherford) (スタグリン・ファミリー)
STAGLIN FAMILY VINEYARD
イタリア・カラブリアからの移民の先祖を持つ、ガレン・スタグリンが設立したワイナリー。自社畑の葡萄で、敷地内で醸造からボトリングまで行うドメーヌ型ワイナリー。
ナパ・ヴァレー屈指の特級畑が集まるラザフォード・ベンチに、ITビジネスで成功した資本をもとに、1985年に62エーカーの畑を購入し、アンドレ・チエリチェフの指導を受けながら、葡萄栽培を始めた。
2005年自身のワイナリー設立。ワイン造りには世界的に有名なコンサルタント、ミシェル・ロランをはじめ、鐸々たるメンバーを擁し、ナパ・ヴァレー最高峰のワインを造る。
オバマ前大統領就任晩餐会でもここのシャルドネが登場した。
現在、カベルネ・ソーヴィ
RUBICON ESTATE (Rutherford) (ルビコン・エステイト)
RUBICON ESTATE
1800年代後半にスタートした伝説の『イングルヌック・ワイナリー』を映画監督のフランシス・コッポラ氏が1975年に購入。1978年に初リリース。
ロバート・モンダヴィのアドバイスなどを受けながら、1982年には伝説の醸造家・アンドレ・チェリチェフを招聘。更には、ラリー・ストーンをディレクターに迎え入れるなどして高品質ワイン造りを本格化させた。
フラグシップ・ワインの「ルビコン」は、基本的には、ボルドーブレンドだが、年によっては、フラン、メルローといった補助品種を殆ど使わず、Rutherfordの最上級区画の畑のカベルネだけとも言える比率のものも作られる。『マルゴー』に似たエレガントな酒質を誇る。
*ルビコンは、古代ローマのシーザー(カエサル)が、あの有名な「賽は投げられた」と言う言葉を発して、渡河した北イタリアの川。この禁じられていた軍隊を率いてのシーザーのローマ入場によって、古代ローマが帝政に移行する歴史的事件の舞台。
SHAFER VINEYARDS (Stags Leap)  (シェーファー)
SHAFER VINEYARDS
1972年にジョン・シェーファーが長年勤めた出版会社を止め、小さな葡萄畑をスタッグス・リープに購入したことがスタート。
6年後わずか1000ケースのカベルネをリリース。それが評判を呼び、これが後に「パーカーポイント100点」を獲得するカリフォルニア最高峰のカルト・ワイン・『HILL SIDE SELECT(ヒルサイド・セレクト)』となる。
1983年に、カリフォルニア大学デイヴィス校で葡萄栽培・醸造学を修めた息子のダグ・シェーファーが加わり、90年にはワインメーカーにイライアス・ファーナンデスを迎え、現在の地位を揺るぎないものとする。
畑もOak Knoll, Carnerosにも自社畑を広げ200エーカー。造るワインも、カベルネに、Merlot, Chardonnay, Syrahを加え、32,000ケ-スをリリースしている。
STAG'S LEAP WINE CELLARS (Stags Leap) (スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ)
STAG'S LEAP WINE CELLARS
シカゴ大学の教授だったウォーレン・ウィニアスキーが、その地位を捨てて、1960年代ナパに移り住むことを決めたことに始まる。
スタッグ・スリープの地形と微気候が造るネイサン・フェイのワインを口にした瞬間、最高のワインを造りたいという夢に燃える彼は、すぐさまフェイ・ヴィンヤードの隣の土地を買い、初めて作ったカベルネが、あの伝説的な「パリ・ティスティング」で、並みいるボルドーのトップシャトーを退け1位に輝くという「あり得ない奇跡」を起こした。この時優勝したワインが現在のS.L.Vとなっており、「カリフォルニアワインの歴史的一歩」としてスミソニアン博物館に展示されている。
ウォーレン・ウィニアスキーは、アメリカのワインを世界に広めた偉人として高く評価されている。パーカーはスタッグスの「CASK(カスク)」を挙げて、「カリフォルニアのベンチマークとなるワインの一つである」と言っている。ワイナリーは現在イタリア・アンティノリの傘下にある。 ニヨン、シャルドネに加え、ルーツとも言えるイタリア系品種・サンジョベーゼも栽培されている。

Napa Valley 南部

DOMAINE CHANDON (Yountville)  (ドメーヌ・シャンドン)
DOMAINE CHANDON
『ルイ・ヴィトン』と手を組んでLVMHを形成し、世界を席巻する巨大グループと化したMoet et Chandon(モエ・エ・シャンドン)は年間2,500万本にも及ぶシャンパーニュ最大の売り上げを誇るが、シャンパンの世界的な需要の増大をいち早く予想し、1973年にカリフォルニアのYountvilleに設立したのが 『ドメーヌ・シャンドン』
後に多くのシャンパン・メゾンが注目することとなるカーネロスの畑の果実をベースに、モエ・エ・シャンドンの長年にわたるシャンパーニュ製法の技術を用い、低価格でも瓶内二次発酵のこだわりの造りを貫いている。その安定した品質のワインは確固たる人気を博している。
DOMINUS ESTATE (Yountville) (ドミナス)
DOMINUS ESTATE
ドミナス・エステートは、ボルドー右岸(Pomerol)の至宝・PETRUS(ペトリュス)のムエックス社が所有・運営(100%)するワイナリーだが、設立初頭は、イングルヌックのジョン・ダニエルの娘・ロビン・ダニエル・レイルとのジョイントベンチャーだった。
「ワインは畑から」のペトリュスと同じポリシーで、畑の条件に応じた徹底した畑の管理を行って造るワインの評価は常に最上級。当然、自社畑の葡萄で、敷地内で醸造からボトリングまで行うドメーヌ型ワイナリー。その運営は、当主ジャン・ピエール・ムエックス氏の次男・クリスチャン・ムエックス(カルフォルニアのデイヴィス校でも学んでいる)が設立当初から担っている。
CLOS DU VAL WINE CO. (Oak Knoll) (クロ・デュ・ヴァル)
CLOS DU VAL WINE CO
アメリカ人実業家ジョン・ゴレが、ワインメーカーに、ボルドー出身のベルナール・ポーテを迎えて1972年創設した。
150エーカーのスタッグスリープの土地を購入し、続いて、冷涼なカーネロスの丘の傾斜地にも180エーカーの土地を購入した。

ベルナール・ポーテのテロワールを重視したヨーロッパ伝統のワインメイキング手法から生まれるワインは、設立当初からその傑出した品質で高い評価を受け、各種コンクールでの受賞歴を誇る。あの「パリ対決」のリターン・マッチでも、ボルドーのムートンやオーブリオンを抑えた輝かしいエピソードを持つ。

LUNA VINEYARDS  (Oak Knoll) (ルナ)
LUNA VINEYARDS
1995年、ナパヴァレー・ヨントヴィル地区のシルヴァラードトレイル沿いにあるワイナリーを、マイク・ムーン(Mike Moone)、ジョージ・ヴァレ(George Vare)の両氏が購入したことに始まる。
ジョン・コングスガー氏をワインメーカー兼アドバイザーに迎え入れ、飛躍的な進歩と注目を集める。
現在ワインメーカーはマイク・ドラッシュ。現在のルナは、主にイタリア系メジャー品種に定評があり、その分野ではナパヴァレーの中でも指折りの知名度を誇る。
オーナーと親交のあるアーノルド・パーマーが関わっていることでもよく知られている。
PINE RIDGE WINERY (Oak Knoll)  (パイン・リッジ)
PINE RIDGE WINERY
1978年にアンドラス夫妻によって設立され、スタッグスリープやラザフォード、ハウエルマウンテンなどに畑を構えるワイナリー。
近年ワインスペクテイター誌で世界のトップ10ワインにランクインしたが、シュナンブランとヴィオニエのブレンドを確立したことでも名高い。
現在は、オーナーは変わったが、ワインメーカーは1988年よりステイシー・クラーク女史が務めている。
MAYACAMAS VINEYARDS (Mt.Veeder)  (マヤカマス)
MAYACAMAS VINEYARDS
1889年創設のカリフォルニアの中では歴史の古いワイナリー(畑は1860年代)。1968年、現在のオーナー、元株式ブローカーだったロバート・トラヴァースが買収し、隣接した土地への拡張と醸造設備の整備が行われ、その評価を高めた。
ワイナリーは、ナパとソノマを分かつマヤカマス山脈の中で最も高いマウント・ヴィーダーの休火山の火口、標高700メートルに位置し、「できる限り自然に」というポリシーの基、古典的な醸造方法で、20haの自社畑から年間5000ケースのワインを造っている。
1976年のパリ・テイスティングでカベルネが7位、30年後のテイスティングでも3位に輝いて、その品質には定評がある。
ETUDE WINES (Carneros) (エチュード)
ETUDE WINES
アラーホ、コッポラ、ダラ・ヴァレなどのコンサルタントとして、その名を馳せるトニー・ソーター自身のワイナリー。
「学習」意味するフランス語のエチュードという言葉を冠した、このワイナリーは秀逸なピノ・ノワールが中心だが、ピノ・ブランやカベルネのワインも造っている。
1999年、トニー・ソーターは、新しくオレゴンに、Soter Vineyards(ソーター・ヴィンヤーズ)」を立ち上げ、 エチュードはベリンジャー・ブラスに売却されたが、ソーター氏自身はワインメーカーとして残っている。
SAINTSBURY (Carneros)   (セインツベリー)
SAINTSBURY
カリフォルニア大学デーヴィス校の醸造学修士課程のクラスで出会ったデイヴィッド・グレーヴスとリチャード・ワードが、良質なピノ・ノワール造りは難しいと言われたカリフォルニアで、カーネロスがその最適地であることを見出し、1981年に設立した。
「カーネロス」の名前を付けてリリースしたピノ・ノワールは評判を呼び、ワイン・スペクテーター誌で、「カリフォルニアではブルゴーニュのようなデリカシーとフィネスを持ったピノ・ノワールはできないとされた既成概念を独力で葬り去った事と、新しく実用化されたクローン技術をセインツベリー程上手に活用しているワイナリーはない」と高く評価される。
1983年ホワイトハウスでのエリザベス女王歓迎晩餐会で供された程のワインのその品質とスタイルは、カーネロスの風土をよく表し、果実味豊かな奥行きを持つそのワインは進化している。

Napa Valley 北部

STERLING VINEYARDS (Calistoga) (ステアリング)
STERLING VINEYARDS
1964年に、ピーター・ニュートン率いるスターリング・インターナショナル・ペーパー・カンパニーが、ダイヤモンド・マウンテンに興したワイナリー。
当初から多くのツーリストを招くワイナリー設計をしたという事で、大規模な敷地にはケーブルカーを設置している。
1977年、コカ・コーラがこのワイナリーを買収し規模を拡大。そして1983年にはシーグラムの手に渡った。
近年では350haという広大な自社畑を所有し、高品質なワインつくりを目指している。
DUNN VINEYARDS (Howell Mountain)  (ダン)
DUNN VINEYARDS
『ケイマス』の評価を絶対的なものとした90年代のスター醸造家・ランディー・ダンが、ナパ北部のハウエル・マウンテンのテロワールに注目し、1972年、最初にこの地でカベルネ造りをスタートさせ、1979年、自らのワイナリーを設立した。
2年後に100%カベルネのワインをリリース。当初から注目を集めた。ナパ、レイクのワインつくりにも広げ、今日の地位を築いた家族経営のワイナリー。
DIAMOND CREEK VINEYARDS (Diamond Mountain) (ダイアモンド・クリーク)
DIAMOND CREEK VINEYARDS
カナダ生まれのアル・ブロウンスタインが1968年に設立。1972年のリリース以来、一貫して手造りと限定生産にこだわり、長熟ワインを世に送り続けてきた。
かつて(94年~99年)ハイジ・P・バレット女史がワインメーカーを務めていたいことでも知られている。
葡萄畑は28エーカー。そこから毎年極上のカベルネ3種(レッド・ロック・テラス/ヴォルカニック・ヒル/グレイヴリー・メドゥ)をリリースしている。
それぞれのワイン生産量は数百ケース。メーリングリスト登録者配布がほとんどで、一般流通は極めて少ない。
ロバート・M・パーカーの激賞を受け、米国内の数々のワイン専門誌による最優良ワインに名を連ねている。